2006年3月22日 (水)

商いの原点

江戸大商人が守りぬいた商いの原点  童門冬二著 青春出版社

久しぶりに書店に寄ったら、店頭に並ぶ本の雰囲気が変わっていました。すこし前までは、「いかに稼ぐか」「格差が拡がって社会が二極化するぞ」とかいった、ある意味での煽りのにおいがプンプンするような本ばかりでした。その反動でしょうか、日本にかつてあった(商)道徳をもう一度見直そうという雰囲気が出てきたのか、本書のような本が書店の目立つところに置かれるようになりました。考えてみれば競争も格差も商道徳などというものも日本にもずっと以前から存在することであり、日本全体が中流意識を持っていた時代にもずっとあったはずです。競争や格差というとすぐに勝ち負けだけに囚われてしまいがちですがそのような世の中でも幸福や満足の追求を忘れてはなりませんし、そのような気持ちを失わない人々にとっては、たとえ「勝者」や「上流」に入れなくても十分満足な人生を送ってきたはずです。そして勝ち組と呼ばれていた人たちのなかでも、道徳心を見失ってしまった人とそれを持ち続けた人では、やはりいつかはちがう結果がもたらされることになると思います。ビジネスは理屈や理想だけではないにせよ、バランスよく自身を律していくことが持続可能なビジネスの基本ということでしょう。本書は現代に続く有名デパートや企業グループの創業者たちの話が書かれていますので、この手の歴史モノになじみのない読者でも読みやすい本であり、最近のアグレッシブなビジネス書に食傷気味のあなた!立ち読みでもいいので少し目を通してみるのもよいかもしれません。

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